人間をとる漁師 2020年4月19日 主日礼拝

聖書 ルカによる福音書 5章1-11節

私たちは、言葉によって、少なからず影響をうけて、自分の考え方や、行動が変化していくことを経験します。日々変化する情報の中で、また特別に自分の行動を考えなくてはいけない状況に置かれている時にこそ、主に信頼してみ言葉に生きる経験を共有したいと願います。本日の聖書箇所は、主イエスの一番弟子といわれるシモン・ペテロの召命の場面です。主イエスとシモンとの言葉から、私たちも変えられていくことを受け止めたいと思うのです。

ガリラヤ湖での漁は、夜中に行われていました。夜通し働いたのに何もとれずに、シモンたちは岸辺に上がって網を洗ってしました。多くの悪霊を追い出し、病人を癒した主イエスの評判は、いたるところで聞こえていました。彼らも、その噂を耳にしていたことでしょう。群衆たちは、主イエスの語る神の言葉を聞こうと迫ってきていました。そんな中で、主イエスの頼みに従って、疲れた体をひきずってシモンは舟をこぎ出し、主イエスは、舟に腰を下ろし、群衆に語り始められるのでした。

ところが、話し終わった主イエスは、舟を沖に漕ぎ出して漁をするように言われます。シモンは「夜通し働きましたが何も取れませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう。」と、応じていきます。漁師として長年経験を積んでいたシモンが、素人の主イエスの言葉に応じていったのは、一番近くで、主イエスの語る神の言葉を聴いていたからなのでしょう。

主イエスの提案に応じたシモンたちは、二つの舟が沈みそうになるほどの大漁を経験します。 想定を超えたおびただしい魚のエネルギッシュな躍動感の只中で、シモンは神を知り、自分の罪深さに恐れおののくのでした。「主よ。私から離れてください。わたしは罪深い人間です。」そこにいた仲間たちも同様であったと聖書は記します。主イエスの言葉が響きます。「恐れることはない。今から後、あなたは人間をとる漁師になる。」