2022年2月20日 主日礼拝 神の国を求めなさい

ルカによる福音書 12章22-34節

聖書が示す「神の国」とは、神が支配され、神に従い、神の御旨を実現する人々が共に生きる国と言えるでしょう。この世に人間として遣わされた主イエスは、神の福音を示しだすときに「時は満ち、神の国は近づいた」と語ります。このように「神の国」は、主イエスが示した時から始まり、再び来てくださる終末の時に完成すると言われるのです。ですから現代社会に生きる私たちも、途上の「神の国」を共に作り上げていく一員とされています。 だからこそ、貧しい人々や抑圧された人々が解放され、歴史の主人公として生きる道を、一緒に探し出すことが求められているとも言えるでしょう。

余分な収穫物のために、新たな倉を作ろうと思い描く金持ちと対比するように、働きもせず、蓄える方法もないカラスや野の花を、主は養い、装ってくださることに目を留めなさいと言われます。主イエスに従った弟子たちにとって、生活そのものが、何を食べようか、何を飲もうかの思い煩いの日々でした。「神の国を求めなさい。そうすれば、これらのものは添えて与えられる。小さな群れよ。恐れるな。あなたがたの父は喜んで神の国をくださる。」と、弟子たちに語られる主イエスには確信と喜びに満ち溢れていたことでしょう。

さらに、自分の財産を貧しい人々と共有することが勧められます。ルカによる福音書には様々な金持ちが登場しますが、どの金持ちも自分の所有物を他者と共有することなしに永遠の命を求め、アブラハムの懐への道を望むのです。そのような金持ちへの主イエスの言葉は厳しく悲しみを感じさせられます。現代社会において、格差社会は顕著になり、他者の痛みに鈍感な人々の横暴な言葉に出会います。実に神の国はあなたがたの中にあるからだ(17:21)と合わせて、あなたがたの宝のあるところに、あなたがたの心もあるのだ(12:34)を受け止めるとき、おのずと私たちの生き方は示されていくのでしょう。