精一杯の行い 2014年3月16日 主日礼拝

 

聖書 マルコの福音書 14章3~9節

エルサレムに向かう道で、主イエスは、弟子たちに、「人の子は、祭司長、律法学者たちに引き渡されるのです。彼らは、人の子を死刑に定め、そして、異邦人に引き渡します」と、弟子たちに教えられたのでした。しかし、弟子たちは、この御言葉が理解できなかった。と、聖書は記します。

 

エルサレムに入城してからの、主イエスの行動は、ますます弟子たちを混乱させ、自分たちが思い描いていた神の国が、遠のいてしまったように感じていったに違いないのです。

 

その中で、名もない一人の女弟子だけが、その主イエスの語られた厳しい言葉に向かい、事情はよくわからないままに、体中で受け止めて行動に出たことが記されているのです。

 

彼女は、純粋で、非常に高価なナルドの油の入った石膏のツボを割って、食卓に着いておられる主イエスの頭の上に、注ぎかけたのでした。まさに、その行為は、主イエスの「ではあなたがたは、わたしを誰だと言いますか?」に対する彼女なりの応答であり、油を注がれた者、すなわち「キリスト」であると、信仰を告白した行為だったのでした。しかし、その行為は、その場に居合わせた男たちによって、無駄、非常識として、きびしく非難されたのでした。主イエスだけが、「そのままにしておきなさい。わたしのために、立派なことをしてくれたのです。埋葬の用意にと、わたしのからだに油を塗ってくれたのです。」と、褒めてくださったのでした。この出来事も、また主イエスの考えについていけない弟子たちを浮き彫りにしていくのでした。

 

突然の石膏のツボの割れる音、そして、部屋中にただよう強い香りは、人々の記憶に鮮やかに残り、その後に起きる十字架と復活の出来事と共に、語り続けられました。主イエスは「まことに、あなたがたに告げます。世界中のどこでも、福音が宣べ伝えられる所なら、この人のした事も語られて、この人の記念となるでしょう。」と語られたのでした。