2021年8月8日 召天者記念礼拝 平和を追う

聖書 詩編34編15節

私たちの教会では、毎年8月には「平和宣言」を交読しています。今年は、改訂版が発行されたので、新しい交読文を用いています。この平和宣言が連盟総会で採択されたのは約20年前(2002年)です。しかし、その当時には、想像できないほどの速さで地球上に多様な軍事化が進み、人の命が軽視されて続けられています。

キリスト教徒というだけでは、その人が何を信じ、どのような生き方をしているのかが不明瞭な時代に突入しています。この宣言の中には、徹底して十字架の神に従うという告白があります。それは裏返せば、他の何者にも服従しないということです。八百万の神がいたるところに存在する日本において、中途半端な気持ちでは取り組めない宣言ともいえるでしょう。だからこそ、生きる方向を見失わないように宣言し続けるのです。

召天者記念礼拝に詩編34編15節、悪から離れ、善を行え。平和を求め、これを追え。が示されました。この詩編34編は、主を畏れることこそが、正しい生き方であることを教えます。すなわち悪に対して悪を用いず、善を持って生きよ! と語るのです。すなわち、善こそが、神の戒めに行き、神の期待に応答することと、子どもたちへ教えていくのです。その先に「平和」を追い求めていく方向が示されるというのです。平和とは、戦争に対立する政治的社会的概念だけでも、魂の平安状況を意味する精神的概念だけでもないはずです。そこには、全ての人間が生の全領域において、神の意志に支えられた自由を得ている「主の平和」につながるものでしょう。与えられた「命」の出来事として「平和」を、今どのように教会が語り続けていくのかが問われています。

長引く感染症対応の日々の中で、不安や不満が蓄積してきているように見えます。誰もが本当に寄り頼むべき存在を求めているともいえるでしょう。だからこそ、正しき人の叫びを聴き、心砕かれた者に寄り添い、霊の砕かれた者を救い出す主なる神へ賛美の歌を届ける者とされましょう。