2021年10月10日 主日礼拝 ヨナのしるし

聖書 ルカによる福音書 11章29-32節

旧約聖書の中には、預言者と言われる人々が多くのしるしや奇跡を行った出来事が記されています。また福音書では主イエスが多くの奇跡といわれる働きを行われたことが描かれています。しかし、主イエスは、天からのしるしを求める人々の要求に対して、断固として拒否されていきます。 なぜなら、奇跡とは、主イエスの憐れみの思いに、主なる神が働いてくださった出来事と捕らえておられたのでした。ですから人々の要求に対して「今の時代は邪悪な時代であり、ヨナのしるしの他には、しるしは与えられない」と、語られるのでした。

ヨナ書は、実にユニークな書です。主の言葉がヨナに臨み、異邦人の町ニネベで「あと四十日で、ニネベは滅びる」と、告げていきます。すると、ニネベの人々は、しるしを求めることなしに、こぞって神を信じ、悔い改めた。といいます。さらにニネベの王さえも、悔い改めて「悪の道と暴虐から離れるように」と布告を出すのでした。その結果、神はニネベを滅ぼすことを思い直されたのでした。すなわち、ニネベの人々はヨナの説教に応じて、悔い改めて滅びから免れていったことを、主イエスは「ヨナのしるし」と言われたのでした。

主イエスの宣教も「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて、福音を信じなさい」と語り、多くの人々が応じていったのでした。これを主イエスは神の言葉の宣教によって、人の子も今の時代に対してしるしとなる。と、語られるのでした。

さらにソロモンの知恵を聴くために、地の果てから来訪した南の女王まで登場させ、言葉によって人が変えられ、国が変わっていくことを語られ、ここにソロモンにまさるものが、ヨナにまさるものが、ある。と、言われるのでした。

現代社会も同じように目に見える力ばかりを求め、人が語る言葉に価値を見い出さない時代なのかもしれません。しかし主の言葉こそが永遠であり、変わることがないことを、信じ受けいれ、語り続けていくものとされたいものです。