聖書 ルツ記 1章16~18節
今年の教会学校月間のテーマは、「聖書を読もう」です。 一人で聖書を読む時と、教会学校で、誰かと一緒に聖書を読むことの大きな違いは、自分とは違った受け止め方があることを、体験することなのかもしれません。 私たちが、用いている「聖書教育」は、聖書を物語として読むことを大切にして、その聖書の学びを展開しています。 つまり聖書を、ありがたい教えとか、守るべき戒めとして読むのではなく、本当に普通の人々が、どんな思いで、どんな言葉で、心を揺さぶられ、あるいはその行動のもとになったのか?
物語として、そのまま受け止めていくことに目的がおかれているのです。
本日取り上げるルツ記は、旧約聖書の中で、実にユニークな書です。どうして、このような書が、正典として残されたのか? イエス・キリストの系図として、ダビデを登場させるための書と語る方もいらっしゃいますが、一度聴いたら、忘れられない姑と嫁の麗しい物語です。旧約の時代、律法主義、排他主義になりがちなユダヤの民に対して、まるで揺り戻しのように、神への信仰とは、血統によらず、国籍によらないことが、せまってくる物語でもあるのでしょう。
自分から望むと望まないにかかわらず、神様は、私たちに、家族を与えてくださいます。それは、自分と違った考え、受け止め方を持つ人と、日々の日常を、共に生きることを意味します。ナオミは、遠くユダのベツレヘムから、夫に従って、息子たちと共にモアブの地で、寄留者となりました。そして息子たちが迎えたモアブの女、ルツ、オルバと家族になり、10年を過ごしていくのでした。 夫を失い、さらに息子たちをも失い、祖国へ帰る決心をしたナオミは、それぞれの嫁の幸せを願って別れを切り出すのでした。しかし、驚いたことに、彼女にすがりついて、泣きながらルツは語るのでした。「あなたの民は、私の民、あなたの神は私の神です。」ふたりの旅は、はじまっていくのです。