2021年6月27日 主日礼拝 神の国は近づいた

聖書:ルカによる福音書 10章1-12節

この72人の派遣は、ルカによる福音書のみに描かれています。特に著者ルカは確信をもって、主イエスが始められた神の国の広がりが、全世界に及んでいくことを思い描いて記しています。主イエスは、ご自身が行こうとするすべての町や村に二人ずつ先にお遣わしになったといいます。収穫は多いが、働き手は少ない。だから、収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい(10:2)と、語られた主イエスの示す「収穫」という言葉に注目してみたいと思います。

主イエスは「私があなたがたを遣わすのは、狼の中に小羊を送り込むようなものである(10:3)」と語られ、その行く先での弟子たちの対応について、細かな部分まで示していかれました。そして、出かけて行った先々の町で語るべきことは、「平和があるように」と「神の国は近づいた」でした。現代社会においても、主イエスによって立てられた教会もまた、再び来てくださる主イエスを待ち望んで「平和があるように」と「神の国は近づいた」を語るものとされています。

一人の人が主イエスの呼びかけに応答して教役者としての献身の道を歩むには、確実に教会の祈りと支えが必要となってきます。神学校週間には、それぞれの神学校で学んでおられる神学生を覚えることと、教会に仕える献身への道が示される人が生み出されることを、共に祈り求めていくことが求められます。そのためにも、信仰者の道を歩むことになった一人一人が、まず主から遣わされた献身者であることを自覚することが重要なのでしょう。

コロナ感染予防という観点からも、人々は接触を避け続けることで、さらに相手に対して不寛容な時代に突入しているように感じます。いままでとは違った方法やアクセスで、なお主イエスの証人となる道を共に探していくことが求めされています。 主イエスから先だって遣わされる教会の働きとして、人々に仕える者として、献身を改めて分かち合っていきたいものです。